国債は安全です! とは、確かに真実です。格付けにおいても、国債の格付けが下がると軒並み、他の債券の格付けが下がるように、もっとも安全な商品として位置づけられています。
国債のデメリット
・低金利を反映して、利子が少ない
・固定金利の国債では、金利が上がったときに価値が目減りする
国債のメリット
・政府が保証してくれるので、金融機関が破綻しても安心
・個人向け国債は、1万円から購入できる
国債の利子は満期まで、持っていれば元本付きで償却されます。しかし、もっと利子のつく商品はないものでしょか?
金利が支払われる商品には、他にどんな商品があるのでしょうか? 具体的に見ていきましょう。
比べやすくするために、1万円当たりに利子を換算してみました。
事例は、2010年 1月の利子です。
金融商品 | 利子 | 解説 |
---|---|---|
国債 | 50円 |
通常の日本国債です。国債市場が存在するため、株式のように自由に売買できます。低金利政策によって、国債も低金利となっていますね。固定金利の国債は、市中の金利が高くなると価値が下がってしまいます。 例:第87回 額面5万円国債 年利0.5% |
個人向け国債 | 44円 |
1万円から買える個人向け国債です。金利は固定と変動がありますが、大した違いはありません。基本的に、個人向け国債の利子は、通常の国債より低く設定されています。 例:第17回 5年個人向け国債 年利0.44% |
預貯金 | 6円 |
預貯金の利率は自由化されているので、金融機関によって異なります。しかし、おおむね国債より安くなるものです。ただし。固定ではなく変動であり、日銀の金融政策の影響を受けます。また預金額に応じて、金利が異なるところがあります。 例:0.06%(100万円未満) 0.1%(1000万円以上) ジャパンネット銀行 |
定期預金 | 39円 |
期間が長いほど、金額が大きいほど利子は高くなります。原則、固定金利です。金融機関によって異なります。おおむね国債より安くなっています。一定期間、資金を引き下ろせません。中途解約は手数料等のペナルティを負います。 例:0.39%(100万円未満 1年) 0.41%(100万円未満 5年) 同上 |
外貨預金 | 25円 |
外貨預金は、通貨を買うことで金利を得ることと、為替差益が収入源となります。外貨を購入したときより円が強くなっていると、為替差損を被ります。外貨では、オーストラリアドル、ニュージーランドドルが金利が高いようです。 1オーストラリアドル=80円換算 為替変動なしの場合 例:0.25% オーストラリアドル |
外貨定期預金 | 900円 |
外貨定期預金は、通貨を買うことで金利を得ることと、為替差益が収入源となります。一定期間、資金を引き下ろせません。外貨を購入したときより円が強くなっていると、為替差損を被ります。 1オーストラリアドル=80円換算 為替変動なしの場合 例:9.00%(10万円から) オーストラリアドル 3ヶ月ものだが1年間9%と仮定 |
FX | 約1.6万円 |
FXとは外国為替証拠金取引のことです。事例としてあげた取引先は、フォーランドフォレックスです。1日あたり、約90円の利子が入ります。必要資金は2万円。1万円換算の利子として表示しています。外貨取引は円安になれば、為替差益となり、円高で為替差損となります。 例:−−(2万円から) オーストラリアドル |
FX(外国為替証拠金取引)は、売りでも買いでも利益になる取引で、かつ、金利の高い通貨を買っていれば、1日ごとに金利が入ってきます。事例としてあげたフォーランドフォレックスのオーストラリアドルは金利が高くなっています。
1日あたり約90円という金利は、オーストラリアドルを1万通貨単位だけ購入することで得られる金利です。50通貨だけ買いたいということはできません。2万通貨買えば、180円、3万通貨で270円が利子として入ってきます。
100万円収めたからといって、いくら使うかは自由です。1万通貨のオーストラリアドルを買いたければ、2万円必要なのだから10万円分しか使わない(5万通貨のみ購入 1日450円の金利が入る)、といった方法も可能です。
このFX、やり方によっては、国債よりも利子が多く、国債なみに安全な商品にできそうです。
やり方を図示すると…
図では、100万円のうち、2万円しか使用していません。別に100万円なくても、2万円あれば可能ですが、円高方向へ動いたときの含み損に耐えられる金額を用意するという意味で、超安全手法を採用しています。
6万円を投入すれば、3万通貨を購入できるので、1年当たりの金利は約10万円となります。金利はどんどん元本に組み込んでいけばいいので、ますます有利になっていくというわけです。
FXはやり方次第で国債ほどの安全性と国債の利子をはるかに超える収入をもたらしてくれるといえるでしょう。